イコールフッティングとは?民間と公共の競争条件を分かりやすく解説

「イコールフッティング」という言葉、ビジネスや行政の資料に出てきて、なんとなく読み飛ばしたことはないですか。わたしも最初に見たとき、「フィッティング? 眼鏡の話?」と一瞬止まりました。

「くらしごと」のしおりです。調べてみると、これは眼鏡のフィッティングとは全然別の話で、競争のルールを揃えることを指す言葉でした。使われる場面が意外と幅広くて、知っておくと読み解きやすくなるシーンがあるなと思ったのでまとめています。

目次

まず言葉の意味から確認する

「イコールフッティング」は英語の「equal footing」から来ていて、直訳すると「同じ立場」「対等な条件」という意味になります。フッティング(footing)は「足場」や「基盤」のことで、「足場を同じにする」というニュアンスが根っこにあります。

ビジネスや政策の文脈では、競争している当事者同士の条件や制約をできるだけ揃えようという考え方を指します。どちらか一方だけが規制を受けていたり、税制で不利だったりすると、フェアな競争にならないという問題意識がベースにあります。

ちなみに「フィッティング」と「フッティング」、どちらが正しいのか気になった人もいると思います。これは「フッティング」が正式な表記で、「フィッティング(fitting)」は眼鏡や洋服の調整を指す別の英単語です。資料によっては「イコールフィッティング」と書かれているものもありますが、本来は「フッティング」の方が正確な表記になります。

どんな場面で出てくる言葉か

この言葉がよく登場するのは、規制や税制が絡む業界の話です。同じサービスを提供しているのに、片方は法律の制約が多くてコストが高く、片方は制約が少なくて安くできる、という状況が出やすい分野で問題になります。

  • 交通分野:鉄道と自動車など異なる手段の競争条件を揃える
  • 福祉・保育分野:社会福祉法人と民間事業者の条件を対等にする
  • IT・通商分野:国内企業と海外プラットフォームの規制条件を同一に

たとえば交通分野では、鉄道は線路の維持費を自社で負担しているのに、トラックやバスは道路コストを全額は負担していないから価格競争で有利になる、という話が1960〜70年代の日本でよく議論されていました。

民間と公共の話で出てきたら

最近だと、福祉や保育の分野でも出てきます。社会福祉法人は税制の優遇があるかわりに制約も多く、民間の株式会社が保育や介護に参入するときに「条件が違いすぎる」という議論になることがあります。そのときに「イコールフッティングを」という言葉が使われます。

「どちらかを有利にするより、同じルールで競ってほしい」という要求として出てくるケースが多いので、誰がその言葉を言っているかを確認すると、何が問題になっているのか読みやすくなります。民間側から言う場合と、行政側から言う場合では、文脈が少し変わることもあります。

言ってる側を見ると、文脈がすっと入ってきます

IT・通商の文脈でも使われている

もう少し身近な話でいうと、近年は巨大なIT企業と国内の企業の間でも使われます。海外のプラットフォーム企業が税制や規制の面で国内企業より有利な状況が続いているとき、「条件を同じにすべき」という主張としてこの言葉が出てきます。

わたしがこの言葉に出会ったのも、通商関係の資料を読んでいたときでした。「なんで民間同士の話でこんな言葉が出るんだろう」と止まったんですが、どの国の企業か、どの業態かによって適用される規制やコストが変わるから、横並びにしようという話だと分かってから、すんなり読めるようになりました。

似た言葉との混同に気をつけたい

「イコールフッティング」に似た言葉に「レベルプレイングフィールド」があります。こちらも同じ「競争条件を揃える」という意味で使われますが、特に国際通商や貿易交渉の場で出てくることが多いです。

また「公正競争」という言葉も近い概念ですが、公正競争はルールに違反しないことを指すのに対して、イコールフッティングはそもそものスタート条件を揃える、という少し前の段階の話です。ここは混同しやすいので、一度確認しておくと読み解きがラクになります。

イコールフッティング

競争のスタート条件・基盤そのものを対等にすること

レベルプレイングフィールド

国際通商でよく使われる同概念の言い換え表現

公正競争

競争中にルール違反をしないこと。条件ではなく行為の話

この言葉が出てきたら確認したいこと

「イコールフッティング」という言葉が文章や資料に出てきたとき、わたしならまず「誰が誰に対して使っているか」を見るようにしています。民間企業が行政に対して言っているのか、行政が民間に対して条件を揃えろと言っているのかで、内容の向きが変わります。

次に確認したいのは、何の条件を揃えようとしているかです。税制なのか、規制なのか、コスト負担なのかで、どの業界の話かが絞れてきます。いきなり全体を理解しようとするより、この二つを先に見ると、長い文書でも迷いにくいです。

「等しい土台」というシンプルな意味を頭に置きながら、文脈を追うと案外すっきり読めます。難しそうな言葉ほど、まず直訳から入るのがわたしの癖でもあります。

迷ったらここから読み返す

「イコールフッティング」は、競争するための条件や基盤を当事者間で同じにしよう、という考え方です。交通・福祉・IT通商など幅広い分野で出てくる言葉ですが、「誰が言っているか」「何の条件を揃えたいか」を見ると、意味がつかみやすくなります。

ちなみに、似た表記の「イコールフィッティング」と「イコールフッティング」は別物です。「フッティング(footing=足場・基盤)」が正しい語で、「フィッティング(fitting=調整)」は眼鏡や服のサイズ合わせに使う別の英単語です。資料によって表記がまちまちなのが混乱を生んでいるので、見かけたら「どちらの意味で使っているか」を文脈で判断するといいです。

次に資料でこの言葉を見かけたら、まず「誰が誰に向けて言っているか」だけ確認してみてください。そこから読むと、長い文章でも入口が見つかりやすくなります。

情報は更新時点のものです。最新情報は公式サイトもあわせてご確認ください。

この記事を書いた人

「くらしごと」しおり

『くらしごと』では、暮らしの中で気になることや、動く前にちょっと確認しておきたいことをわかりやすくまとめています。

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