食事中にふと気づいたら箸を口にくわえていた、なんて経験はないでしょうか。子どもがやっているのを見て注意しようとしたものの、「なんでダメなの?」と聞かれると、うまく答えられなかったりします。
こんにちは、『くらしごと』のしおりです。箸のマナーは種類が多くて、名前を聞いてもピンとこないものも多いですよね。今回はくわえ箸にしぼって、なぜいけないのか、何が困るのかを順番に見ていきます。
くわえ箸とはどんな動作か
くわえ箸とは、箸を口にくわえたままほかのことをする動作のことです。「嫌い箸(きらいばし)」と呼ばれる箸のマナー違反の一種で、食事中についやってしまいやすい動作のひとつです。
具体的にはこんな場面が当てはまります。
- 箸を口にくわえたまま食器を持ち上げる
- 箸をくわえながら次に食べるものを考える
- 箸を口にくわえたまま手で別のことをする
どれも「一瞬のこと」に見えるんですが、食事の席ではっきり目に入る動作です。本人は無意識でも、周りからはしっかり見えています。
くわえ箸がマナー違反とされる理由
くわえ箸がよくないとされる理由は、ひとことで言うと「不衛生で、見た目にも行儀が悪い」からです。ただ、これだけだとちょっと漠然としているので、もう少し分けて見てみます。

ここ、ちゃんと理由を知っておきたいところです!
- 不衛生に見える
-
口に入れた箸を食事の場に持ち出すのは、一緒に食べる人への配慮として欠ける行為とされています。
- 食事に集中していない印象を与える
-
箸をくわえながら別のことを考えたり手を動かしたりする姿は、食事を粗末にしているように映ります。
- しつけの問題として見られやすい
-
子どものころに身についていないと思われやすく、大人がやると目立ちます。
わたし自身、これを調べてみて「なんとなくダメ」ではなく、ほかの人の食事の場を不快にさせないための配慮なんだと改めて分かりました。マナーって突き詰めると、自分だけの話じゃないんですよね。
危険という視点も見落とせない
マナーの話だけで終わらせていいのかな、と思って調べていたら、安全面の話も出てきました。箸を口にくわえたまま動いたり、立ち上がったりすると、転倒したときに口の中や喉を傷つける危険があります。
特に子どもは動きが予測しにくいので、くわえ箸のまま走ったり立ち歩いたりする場面は、実際に事故につながったケースもあります。マナーとして注意する前に、まず危ないからやめさせる、という視点もあっていいかなと思います。
大人でも、食事中に後ろを向いたり立ち上がったりするときに箸をくわえたままにするのは、思っている以上にリスクがあります。ここは先に頭に入れておきたいところです。
嫌い箸の中でのくわえ箸の位置づけ
箸のマナー違反全般を「嫌い箸(きらいばし)」または「忌み箸(いみばし)」と呼びます。その種類は20種類以上あるとも言われていて、くわえ箸はそのうちのひとつです。
嫌い箸の中には、葬儀の作法と重なるとされる「箸渡し」や「立て箸」のように、縁起的な意味でタブーとされているものもあります。くわえ箸は縁起の問題というより、衛生面・安全面・見た目の行儀の問題として語られることがほとんどです。
混同しやすいのが「ねぶり箸」です。ねぶり箸は箸先を口でなめる動作で、くわえ箸とは似ているようで別の動作です。どちらもマナー違反ですが、ひとまとめにして覚えると混乱するので、別々の動作として頭に入れておくのがおすすめです。
大人もついやってしまう場面はどこか
子どものマナーとして語られることが多いですが、大人でも無意識にやってしまう場面があります。わたしがいちばん多いと思うのは、食べながら会話をしているときです。
話に夢中になって、箸を持ったまま口にくわえてしまう。テレビを見ながら食べているときや、スマートフォンを操作しながら食べているときも同じような状況になりやすいです。食事以外のことに意識が向いているとき、手に持っている箸が口に入りやすくなるんですよね。
外食や人と食べる場面では特に目立ちやすいので、気になっている人はまず「箸を使わないときは置く」を意識するだけでかなり変わります。箸置きがない場合は、箸袋を折って代わりにするのもよく使われる方法です。
子どもへの伝え方で迷ったら
子どもに「くわえ箸はダメ」と伝えようとすると、なぜダメなのか聞かれることがあります。「行儀が悪いから」だけだと、子どもにはピンとこないことが多いです。
わたしなら最初に「危ないから」の話を使います。転んだときに口を傷つけることがある、という理由のほうが、子どもには届きやすいからです。安全の話として入れてから、人前ではやらないほうがいいというマナーの話へ順番につなげると、受け入れてもらいやすいです。
一度でちゃんと理解してもらおうとしないほうがラクです。食事のたびに少しずつ声をかけていくうちに、自然と習慣になっていくことが多いです。
まずここから見ておきたい
くわえ箸は、衛生面・安全面・見た目の行儀の三つの観点から「やらないほうがいい動作」とされています。縁起の話ではなく、一緒に食べる人への配慮と、自分自身の安全の話として押さえておくのがわかりやすいです。
ちなみに、似た言葉の「ねぶり箸」と混同しやすいので、ここだけ先に分けて覚えておくと後で迷いにくくなります。くわえ箸は「箸を口にくわえる」、ねぶり箸は「箸先をなめる」、どちらも別の動作です。
子どもに伝えるときも、大人が意識し直すときも、まず「使っていないときは箸を置く」から始めるのが一番シンプルです。それだけでくわえ箸もねぶり箸も、自然と減っていきます。












